2016.07.21
人工知能による一億総失業時代に備えるべきことはとってもシンプル
こんにちは。タクスズキ(@TwinTKchan)です。
本日お届けするのは、株式会社シグナルトーク代表の栢(かや)さんと、コデアル代表の愛宕(あたご)さんによる対談の後編(前編はこちら)。
人工知能が発達して、人の仕事を奪うようになったら、僕たちはどう生き抜いていけばいいか、というお話。非常に参考になりましたよ。
めんどうな仕事はロボットがやるようになる
栢 これから30年先を考えると、めんどうな仕事は人工知能がやるようになります。運転のような肉体労働もそうですね
愛宕 ぼくはロボットもがんばってくれると思っています。例えば、松屋のような飲食店において。人をひとりだけ居させて、あとはロボットが作業するようになるはずです。
栢 安いお店、安いサービスは全部ロボットになるでしょう。一方、高いお店では、人によるサービスが続きます。そういったお店では、ロボットでなく人間に接客してほしいというニーズがありますからね。
傭兵プログラマーは仕事がなくなる
栢 技術者の世界でも、傭兵的なプログラマーは仕事がなくなるでしょう。作業的なプログラムはきつくなって、アイデア的なプログラム書く人間だけが残るようになります。
愛宕 その話でいうと、人間にしかできない仕事はルールメイキングだと思っています。
AlphaGoを例に出すと、囲碁というルールの中では、人間よりコンピューターが強くなります。処理能力ではコンピューターの方が優秀なので、これはしょうがないことです。
ただし、コンピューターでは囲碁のルールはつくれません。なので、人間は機械ができない「ルールを作る仕事」をしていかないといけないですよね。
自由時間と稼ぎの両方が増える人も
栢 ただし、テクノロジーによって人間が得をする場合もあります。買い物がそうです。
かつてはトイレットペーパーを買うとなると大変でした。町のスーパーマーケットまで出かけて、それを持って帰らなければなりませんでしたよね。
でも今は、Amazonで家にいながら購入できて配送もやってもらえます。時間と手間がかからないわけです。それで時間に余裕が生まれます。
こうした状況でうまく稼げる人であれば、今よりも自由な生活が送れるようになります。
自由時間と稼ぎの格差が広がっていく
また、自動運転が始まれば、友達と飲みながら車で移動できます。仕事で成功すれば、ライフスタイルがより充実していく時代になっていきますよね。
愛宕 確かにそうですが、その恩恵を受けられる人は少なそうです。仕事が機械に置き換えられる時代には、仕事を創造できる人が稼いでいけるわけですから。
栢 確かに、格差は生まれますよね。人工知能を組み立てる仕事も人工知能がやるようになると言われていますし。
愛宕 だから、ベーシックインカムのような制度が重要になるんでしょうね。これがないと明るい未来が描けない人が出てきます。他だと、ビルゲイツのように、世のためにお金を使う人が出てこないと。。。
不安定な時代の生存戦略
愛宕 こういった話が出たので人間の生存戦略についても意見をお聞きしたいです。
ゲームの話でいうと、DS、プレステ、スマホのようにどのハードが覇権を取るかわからない世界で栢さんは生きてきましたよね。こういった業界で仕事をしていると、「技術が使えなくなってしまう…」などの恐怖もあると思います。
そうした状況をどうやって乗り越えていけばいいのでしょうか?必要な能力もありましたら、教えてほしいです。
栢 サバイバル能力は大切ですよね。プログラミングの言語が使えなくなる、ブラウザのFlashのようにプラットフォームがダメになるのはよくあることです。
アプリで言えば、Appleの機嫌に左右されてしまうのも事実です。Objective-CからSwiftへの移行が分かりやすい例です。同じことで10年食っていけるかはわからないわけですよね。
そうした時代なので、まず身につけておくべきは、「勉強のやり方を知ること」と「学びをアプトプットする力」です。例えば、本を早く読んで知識をつけて仕事につなげる、といったように。
対応する力も大切
栢 本のようなもの(誰かがお金を使って情報を集約したもの)は残り続けます。これは紙、webに限らず。
密度の濃いテキスト、音声を理解していく力は必要で、「集中して専門書5冊を1週間で読めます」みたいな能力も重宝します。
また、ゲーム、アプリの業界そのものがなくなる可能性もあるわけです。例えば、一部の天才プログラマーがつくったコードを元にアプリが作れる世界が来るかもしれません。そうなったら、言語は何をやればいいの?という次元の問題ではなくなってきます。
そうなったとき、「対応できる力」は必要です。パッといい例が思いつきませんが、医学を勉強してその分野で勝負する、といった感じですかね。
アプリを作る仕事がなくなっても、知識を仕事に変える力があれば稼ぐことはできます。例えば、胃ガンの知識を詰め込むなら1週間でいけるとか。この能力があれば、何の仕事もできます。
書いた人の情報
タクスズキ
プロブロガー&IT小商い研究家。ブログ「らふらく」を書いて生活している89世代。
Twitter:@TwinTKchan