2025.12.26
【採用ノウハウ連載コラム】第三弾:ダイレクトスカウトで差をつけろ!開封率と返信率をあげる方法

営業会社を起業後、大手人材派遣会社から依頼を受けたことをきっかけにRPO事業(採用代行事業)に進出。主にIT関連会社、人材派遣会社、建設会社などの人材不足に悩む企業の採用コンサルティング・採用代行を行っている。
本コラムでは、RPO事業者の代表である阿部様に、採用活動を成功に導くためのノウハウを全六弾に分けて解説していただきました。
第三弾では「ダイレクトスカウトで差をつけろ!開封率と返信率をあげる方法」というタイトルで、ダイレクトリクルーティングサービスを利用する際の効果的なノウハウについて語っていただきます。
1.ダイレクトスカウトメールの3大要素と作成のコツ
第二弾でお話したように、求める人材の母数とその競争率を調べ、自社に最適なダイレクトリクルーティングサービスの媒体選定が終わったら、いよいよスカウトメールを作成して求職者にアプローチしていきます。一般的なダイレクトリクルーティングサービスでは、主に次の3つの項目があります。
- ①タイトル
求職者がメールを受け取った際にまずはじめに目にする項目です。複数の企業からスカウトメールを受け取っているような候補者の場合、タイトルで興味を引くことができなければ、メールを開封してもらうことすらできません。また、求職者がどのようなドメインを使っているかにもよりますが、タイトルの中でも最初の数文字しか表示されないケースもあります。メールを開いて読んでもらうためには、【希少求人】や【高待遇ポスト】といった強調した記号やキャッチーなフレーズで求職者の興味を引き、まずは開封率をあげましょう。 - ②書き出し
メール開封後に本文が続きますが、最初の2~3行でいかに求職者に熱意をもってスカウトしたのかを伝えましょう。工数削減のために本文の書き出しをテンプレ化している採用担当者をお見かけしますが、この最初の2~3行で全体の本文が読まれるのかどうかが決まります。✕ 株式会社○○の○○と申します。○○様の今までのご経歴を拝見して連絡させていただきました。是非一度面接をさせていただけないでしょうか。下記にスカウトさせていただきたいポストの詳細を記載させていただきます。
〇 株式会社○○の○○と申します。○○様の今までのご経歴を拝見させていただき、○○事業部の際に担当された~~のご経歴や、○○時代の~~のご経歴に魅力を感じ、連絡させていただきました。○○様のそのご経歴は、弊社が求めている人材像にマッチしていると考えており、是非とも一度お話をさせていただければ幸いです。
上記のようにしっかりと候補者の経歴に目を通していることや、どこに魅力を感じているのかをコンパクトにまとめて送付すると効果的です。
- ③面談への誘導
熱意の伝わる書き出しで興味付けをし、本文を読んでもらうことに成功したら、後半で面談をさせていただきたい旨を伝えましょう。ここでポイントなのは、面接ではなく、あくまで面談という体でセッティングをすることです。面接は採用の合否を決めるための選考プロセスですが、面談は相互理解を深めるための情報交換が目的となります。あくまでカジュアルな提案であることを伝えることで、スカウトメールへの返信率と面談の設定率を上げることができます。また、相手のスケジュールに寄り添った候補日時を提示することも重要です。「現職の終わった平日の夕方以降でも面談可能です」「平日が難しければ土日にて対応します」といったように、求職者が都合のつけやすそうな日時を提示することで、面談設定率を向上させることが可能です。
2.スカウトメール送付のタイミング
優秀な求職者であれば、複数の会社からスカウトメールを受けとっています。第二弾でお話したような人材が不足している建設業界などでは、求職者一人に対して30社以上の企業がアプローチをかけていたりすることもあります。自社のスカウトメールが埋もれないようにするためは、求職者がメールをチェックするタイミングや、埋もれないタイミングを見計らってメールを送付しましょう。お勧めのスカウトメール送付タイミングは下記になります。
- ①朝の通勤時間である8:00~9:00
- ②昼休憩の時間である12:00~13:00
- ③帰宅後のプライベート時間である平日18:00~21:00
- ④一週間の終わる金曜日の16:00以降
- ⑤土日祝日
どの時間帯も一般的な企業の業務時間とはズレており、送付のタイミングとしては難しいかもしれません。しかし、他社がスカウトを送らない時間帯だからこそ、求職者の目に留まりやすく、開封率や返信率の飛躍的な向上が見込めるのです。また、近年のダイレクトリクルーティングサービスでは、予約送信機能が搭載された媒体もありますので、上記のスカウトメールが埋もれづらい時間帯に予約可能なのかなどを事前に調べておくのもよいでしょう。
3.スカウトメールの送付回数
どんなにメールの埋もれづらい時間帯にスカウトメールを送付したとしても、必ずしも1回の送付でメールが開封されるわけではありません。アクティブな候補者を厳選し、タイミングを見計らって送付をしても、スカウトメールの開封率は70~90%ほどになります。しかし、1回のメール送付だけで優秀な候補者を諦めてしまうのでは勿体無いと言えるでしょう。二度三度の送付で気づいていただけるケースもありますし、一度目では興味がわかなかったものの、何度もスカウトが届くことで心を動かされるケースもあります。
私が同じ候補者に複数回スカウトメールを送付するときは、タイトルや書き出しも変更して送付しています。三度目にスカウトを送付する際には【三度目の正直】といったタイトルを付けて送付をすることもあります。実際に第二弾でお話した建設会社のクライアントの場合、年間で10名の採用に成功したのですが、そのうちの半数以上が複数回のスカウトメール送付を行っています。また、入社後のアンケートで「スカウトメールが何度も届き、その熱意を感じて返信をした」と回答していただいた内定者もいました。
第三弾まとめ
第三弾では、スカウトメールの開封率と返信率をあげるための具体的なコツについて説明させていただきました。ひとつひとつは小さな効果かもしれませんが、タイトル作成や書き出しを工夫し、スカウト送付のタイミングやスカウト送付回数を工夫することで大きく開封率と返信率をあげることが可能です。また、返信率があがれば自然と面談設定率もあがってきます。次の弾では設定した面談で他社と差をつける方法についてお話していきます。
【第四弾:採用面談を商談と捉えよう!採用担当者が陥る罠】へ続く





