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役者から恋愛コラムニストに転身した川口さんと人生のパートナーとの関係性は働くにも影響するのか?を対談してみた

今回の対談相手は、元俳優であり現在は恋愛コラムニストを中心に執筆業、WEBメディア運営など多彩な方面で活躍している川口美樹さんです。

「働くをもっと自由に」をビジョンに掲げ、即戦力複業求人サイト「コデアル」を運営するコデアル株式会社代表の愛宕(あたご)と、人生のパートナーとの関係性と働くの関わりについてご自身の体験を元にお話いただきました。

(インタビュー:愛宕 文:三島)

愛宕:川口さんはどのぐらい役者をされて、現在はどのような活動をされているのでしょうか?

川口:役者は4年ぐらいですね。現在、恋愛コラムニストとして活動しています。Blogやメディアの運営、執筆を複業でお仕事させていただいています。

愛宕:川口さんはすでにご結婚されているかと思うのですが、仕事を変えるタイミングはどうでしたか?役者から現在の仕事に行き着くまでのどのタイミングでご結婚されたんですか?

川口:恋愛関連を中心に自分をブランディングして行こう!と思った時、ちょうど2年ぐらい前の2016年ごろに奥さんと出会いました。実はその時はまだ恋愛コラムニストはしていませんでした。

愛宕:そうなんですね!私は会社を作る前に妻に出会いました。その時はまだ大学生で、大学に行きながらベンチャー企業で働いていました。出会ったのは、ちょうど就活時期で(笑)。ありがちだと思います。当時から起業したいということは、彼女も知っていました。

川口:どこで知り合われたんですか?面接会場とか?

愛宕:就活先の座談会で(笑)

川口:そこからどういう流れで結婚になったんですか?

愛宕:7~8人で内定者集まりの企画・運営をすることになって、彼女も私もそのメンバーだったんです。その時、入社する予定だった会社の同期は500人ぐらいいたんですが、企画・運営をするメンバーとしてやり取りとしているうちに仲良くなって、お付き合いするようになりました。

川口:愛宕さんがゆくゆくは起業したいという思いを知っていて付き合ったんですか?結婚しようとなったのは?

愛宕:会社を設立するのにほとんど資金がなくて…。普通はもっと安定しててほしいとか思うはずなのに、妻は今も昔もダメな自分を許容してくれたんです。起業した大変な時に、良く見られたいっていう意識を持たずに素を出せたことで、結婚を意識しましたね。

川口:究極的にダサいところを見せても嫌がられなかったってことですね。

愛宕:実際は嫌がっていたかもしれませんね(笑)

川口:当時、奥さんがどんなふうに思っていたとか聞いたことはありますか?

愛宕:この人は言っても無駄だなと思われていたようです。24歳の時が金銭的にどん底で、1年後になんとか生活していけるかなとなったので、その時点で結婚しました。仕事のタイミングと結婚のタイミングは意識的にずらしていた感じです。

川口:意識的にとは?

愛宕:会社がダメだった時に、すでに結婚していたら妻に申し訳ない。。。そう思って結婚をずらしたっていうのはありますね。今思えば、今もいつ会社がダメになるか?わからないという意味では正直あまり意味はなかった気もしますが。。。

川口:僕は愛宕さんと共通する部分と違う部分がありますね。結婚を決めた理由がダメな自分を出せるっていうのは共通していると思います。ダメな自分を出せたのは僕の場合は、結婚した後だったんです。僕がプロポーズをしたのは、恋愛コラムニストを始めて、資金なし、むしろマイナスぐらいの時でした。

きっかけはある夫婦との出会いで、その夫婦はお二人とも起業されているんです。金銭的理由で踏み切れてなかった自分がとても情けなく思えて。”自分には覚悟が足りないんじゃないか!!”って感じてプロポーズをしました。

愛宕:その部分は確かに自分と逆ですね!私のほうが明らかにかっこ悪いですね(笑)ビビりなところが出てしまっている。

川口:その覚悟から3か月がむしゃらに走りました。その間、指輪を買ったりもしたけど結局ダメだったんですよね(笑)ただそのボロボロの時に妻が横にいてくれて、すごく安心したんです。「ああ、これがパートナーシップか」って思ったんですね。それであの瞬間感じた感覚を広めたい!知ってほしい!と思って恋愛コラムニストになりました。

愛宕奥様が仕事選びにかなり影響していますね!

川口:そうですね。あの時「この感覚を伝えたい」という気持ちを本当に強く感じました。

試してみることの大切さとは

愛宕:お仕事においてですが、まずは実際に一緒に仕事をしてみることが一番いいと考えています。彼氏彼女や結婚相手、仕事のパートナーとしても、うまくいくかどうかは実際に試さないとわからないんじゃないかなと思っています。

なので、仕事において、まず「業務委託で働いて適性を見てから採用」という流れと、恋愛でまず「同棲してから結婚」という流れは似ているなと勝手に思っています。

川口:今のキャリア観や結婚観は極端ですよね。発信する人が極端だからだとは思いますが、1か100ではなく本質はグラデーションの部分だと思うんです。恋愛すべき相手と結婚すべき相手は違うし、グラデーションの中で見えてくる世界もあると思うんです。

愛宕:関係性が実際に変わってみないと、そこらへんはわからないですよね。

川口試してみるってとてもいいことだと思います。フランスにはPACKS(パックス)制度があるのをご存知ですか?逃げ恥の契約結婚みたいな感じなんですが、これはパートナーとの共同生活において、結婚しているのと同じような権利が得られる制度です。

愛宕:えー!そんな制度があるんですか。知らなかった!

川口:もともとは法律婚で税制等が認められない同性愛者のためにできた制度ですが、それが広がり今では使っているほとんどが異性カップルです。フランスは離婚するのも裁判で1年かかるぐらい大変な事なので、このお試し婚を選択するカップルが増えているんです。

愛宕:それだけ結婚が重たい意思決定ということですね。

川口:結婚との間に挟むのがPACKS(パックス)ですね。一歩手間があるということです。

愛宕:日本とは全然違いますね。

川口:いかに常識が常識じゃないかわかりますよね。イスラム教は今も一夫多妻制をとっているところもあるし、日本だって昔は大奥制度がありましたし。そう考えるとパートナーシップってどういうことなんだろうって思いますよね。

愛宕:あくまで個人の意見ですが、制度やルールはあるけど、個人のこうしたいがもっと尊重されてほしいなと思います。

仕事に人が合わせるのではなく、人に仕事が合わせるようになったらいいなと思っているから、今コデアルというサービスに取り組んでいるのも大きいです。

川口:カスタマイズするって大切ですよね。誰でも起業すればいいっていうわけではなくて、していい人って限られている。それぞれに適した方法があるのに、それが広がっていない気がします。

もっとそこが整備されたら選びやすくなるんじゃないかな。LGBTなどがわかりやすいかもしれません。男性を好きな男性が”ゲイ”という言葉を知るだけで、自分は”ゲイ”なんだ!と悩んでいた気持ちがスッキリし変われるわけです。

サラリーマンや起業家という言葉以外に”パラレルキャリア”という言葉が出てきて、複業の観念がすっと入ってくる。言語化されることは大事です。選択肢が言葉で整理されるといろんなことが整うと思います。

愛宕:そこ共感できます!”ふくぎょう”もサブの意味の副業だと、メインがあってという感じですが、コデアルでは複という漢字を使っています。

サブの仕事という意味ではないのでこの複業という表記にしているんですが、言葉として現れて認知されるから、新しいサービスが生まれるんだと思います。

自分の常識は自分の組織やコミュニティ内の常識でしかないものだと思うんですよね。言葉ができることで、期待値調整にグラデーションがあるよっていうことを知らせてくれる。週1で働くとか週3で働くとかの言葉ができて、仕事に個人が合わせるのではなくて、個人に仕事が合わせられるのかなと思います。

パートナーとのグラデーションをいかに明瞭化していくか

川口:求人募集とかプロジェクト企画もそうなんですが、例えば恋愛アプリを作る時にプログラマーを募集したとします。でも単に「プログラマーです」と言われるよりも、Javaが使えますとか具体的に言葉が出てくることで細かく期待値調整ができますよね。

起業したいと言っている人と結婚を決めた時、相手が考えてる起業のグラデーションをきちんと理解していないとだめですよね。

愛宕:そこがずれてると、ものすごく危険ですね。

川口:男性はプチ起業と思っていても、女性は孫正義ぐらいの起業だと思っているかもしれない。将来が不安になって親に相談した途端、結婚がなくなるってこともありえますからね。

愛宕:何となく起業という言葉に憧れて、一時的に口にしただけっていう可能性もありますしね。

川口:言葉が整理されていくことで、リスクも明瞭化されやすくなります。

愛宕:言葉やグラデーションがはっきりするとハッピーになる人って絶対多いですよね。

川口:僕自身、最初自分に対する期待値を間違っていたんです。偉人に憧れて大きいことしたいと思っていて、自分自身への期待値を間違えて苦しんでいた時期がありました。今はそれも整ってきて自分に出来ることをやろうと思えるようになって、メンタルも落ち着きました。

愛宕:自分でも期待値がどれぐらいかわかっていないことも多いと思います。私は今期待値が上がっていて、失敗したとしても少しでも未来に影響を与えたいなと思っています。

期待値は高めにずれていても低めにずれていても辛いものだと思います。

それに自分とは違った別の期待値の人と組むといいなと思います。自分とは違うタイプというか、、例えば細かい作業が得意な人とそうでない人が仕事でパートナーを組む、それって家庭内での妻とのパートナーシップとも似てるなって。実際会社の僕と一緒に仕事をしてくれているメンバーは、僕と得意なことが全く被っていませんw

川口:どういうとこで似てるなと感じますか?

愛宕:子どもの書類手続きとかキチキチっとしたことは妻がやるんですが、何かしらの交渉などは全て僕がやるみたいな分業体制です。定常的に発生するものは妻、定常的に発生するわけではないものが大体自分に回ってきます。ただ皿洗いは家では自分の役割ですねw

タイプが同じだったら自分がやったほうが早いってなってしまいますよね。

川口:役割分担の意識って結婚前からありましたか?

愛宕:内定者の懇親会とかで企画・運営している時があったので、お互いの得意不得意が事前にわかっていた気がします。

特に僕は何でも平均的に80点取れるようなタイプではなくて(笑)出来ることが少なかったから、期待されるところとされないところがわかりやすいっていうのもありますけど。。。仕事でもそうですね。

川口:日本人全体の課題でもあると思うんですが、今平均点を取れる教育で優秀だけど取り柄がないっていう人が増えている気がします。パートナーを選ぶのも関係していると思うんですが、振り返ったら役割分担できてたけど恋人の時からちゃんと役割分担できている人って意外と少ないんですよね。僕はたくさんの人に会ってきたから余計に自分に合う合わないは匂いでわかります(笑)パズルのピースがはまる感じ。事前にわかる方法があったらいいんですけどね。

愛宕:旅行っていいかもしれないですね!旅行って決める要素が多いじゃないですか。その過程でいろいろわかるみたいな。

川口:プチテラスハウスみたいなのもいいですよね。どのポジションをとるかでどういう人かわかるじゃないですか。それって仕事でも同じですよね。

選択肢を広げていくには?

愛宕:話は変わるんですが、役者の活動を始められたのは大学卒業後ですか?

川口:在学中からやってました。

愛宕:その時はどういう役者さんになりたかったのですか?

川口:味のある人が好きで、役所広司さんとか香川照之さん、高倉健さんに憧れていました。生き方で魅せる俳優を目指していました。

愛宕:俳優を目指したきっかけは何ですか?

川口:高校まで進学校に通っていて、一時期は早稲田や一橋大学への進学を考えていました。当時サッカー部に所属していたんですが、結構回りが弁護士とか医者とかやりたいことを明確に持っていたのに対し自分は全くなくて…学びたいことがないのに大学進学するのはどうなんだろうと思うようになって。

愛宕:僕も学びたいことはっきりしてなかったけど(笑)大学進学しましたね。それと比べると大きな違いを感じます。ここでも僕かっこ悪いな。。。

川口:兄が舞台芸術を学んでいた影響で、舞台を見に行くことがあって表現の世界が面白そうだなと思うようになったんです。

愛宕:俳優を続けようとは思わなかったんですか?

川口:愛宕さんもそうだと思うのですが、1988年世代ってちょうど大学2年ぐらいにリーマンショックがあったり、大企業神話が崩れだしたころに就活の時期が重なっていて、芸能界にもその波があったんです。

CMが売れないとか徐々に出始めていて、自分が乗る船として”芸能界”が頑丈そうに見えなかったからかな。

愛宕:そこで突き抜けようとは思わなかったんですか?

川口:思わなかったですね。”どうしてもなりたい職業”というわけでもなかったので。

愛宕:ただ川口さんは表現者であり続けたいというのはずっと一貫していますよね。

川口:後からわかったんですが、それは間違いないですね!

愛宕:お話を聞いていて、ご自身の中で整理して言語化されるのが本当にお上手だなと思うんですが。何かやってるんですか?

川口:これは訓練のおかげですね。いろんな人と話してたくさん聞いたことでインプットとアウトプットが繰り返し鍛えられたおかげだと思います。

じつは兄が舞台演出の仕事をしているのですが、僕は兄のようにアーティスティックな才能はなかったので、早めに役者を撤退して良かったなとも思います。

愛宕:お兄さんは今舞台演出の仕事でご活躍されているんですね。素晴らしいですね!

川口:少しずつ有名になってきています。兄は兄で私の文筆能力を天才と言ってくれることが嬉しいですけどね。

愛宕:得意なことは個人によって違いますもんね。

川口:表現の具現化の方法って本当にいろいろあるんですよね。職業を全うするのではなく自分のしたい表現を全うすればいいと思います。だから役者で突き抜けたいとは思わなかった。

愛宕:動画だったり文章だったり、手段に固執することはないですよね。むしろ新しい手段のほうが未知だから先駆者になることもできますよね。

川口:YouTuberやティックトッカー、インスタグラマー等いろんなツールで活躍する人が増えていますけど、ツールに依存する人はすぐにダメになりますよね。ツールは何でもいいけど利用してやろうという人はポジショニングがとてもうまいと思います。

愛宕コデアルのサービスもツールの1つだと私たちは考えて提供させていただいています。コデアルを使って働く人にとっても、コデアルを使っていることがブランディングになる。またコデアルを使っていただいている個人の方が魅力的だから、コデアルも魅力的になる。そういう相互にいい影響がある、対等な関係が素敵だなと思っています。

川口:生む人と使う人がいて初めて成立するのがクリエーションなんですよね。

愛宕:はい。そう思っています。では最後に川口さんからメッセージがあればお願いします!

川口:キャリアに悩むような人って、ある程度仕事ができる賢い人が多いんです。なのでぜひ一回バカになってもらいたいです。僕自身の経験から言えることですが、賢く生きてきた人はバカになるのが怖いんです。リスクがあるし、あぁはなりたくないと思っていたことなのでとても難しい。でも一度バカになると、その後の風景がものすごく楽になります

仕事でも結婚でもいろんな選択肢があってこれをやってみたい!と思ったことを全部やってみる。頭の良さを小さな世界でとどめておいてほしくないです。

愛宕:面白いアドバイスですね!

川口賢いバカであってほしいです。バカになれるのも、賢さだと僕は思います。自分とは違う人間がいることとか自分が知らない価値観があるということとかって飛び込まないとわからないんですよ。「オレが正しい」、「周りが言っていることが正しい」に縛られるとバカになることが難しくなります。ぜひバカになる勇気を持ってください!

愛宕:今日はとてもおもしろいお話を本当にありがとうございました!

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