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弁護士ドットコム株式会社CTO市橋様インタビュー

1.なぜ今の事業をスタートされたのでしょうか?

弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」については、弊社の代表が弁護士ということもあり、弁護士や税理士といった専門家をもっと身近にしたいという想いからスタートしたサービスです。

一昔前には一見さんをお断りすることもあるなど、専門家が身近ではない風土もありました。でも、今であれば例えば離婚の問題にしても、相続の問題にしても、士業の方に相談することが一般的になりつつありますし、実際に相談することでよりよい解決ができている方が大勢いらっしゃいます。まだ道半ばですが、そうした専門家の知恵を使って問題解決を支援してきたいという想いからスタートしています。

クラウドサイン」については、会社が上場した後にスタートしたサービスです。どのような業務を依頼するにしても必要になる契約書を、もっと簡単に、もっと便利にしたいという想いから始めた事業です。

どちらの事業も社長である元榮の想いが詰まった事業ですが、事業担当者は別にいて、現場レベルでスピーディーに意思決定をして事業を進めています。もちろんコンセプトに関わるような意思決定は元榮も含めじっくり議論しますけどね。

2.どのような経緯でCTOになられたのですか?

プログラミングを初めたのは遅く、大学に入ってからでした。でもプログラミングに面白さにはまり、独学したりバイトしたりしながら学んでいき、最後はフリーランスのような立場でも仕事していました。

就職ではアクセンチュアに戦略コンサルタントとして入社し、一旦プログラミングからは離れます。その後、同期の誘いもあって自社サービスと受託開発を行う会社を立ちあげました。会社としては少しずつ成長している状況だったのですが、大きく成長をさせたい私の意見と、着実に事業を伸ばしていきたい他の創業メンバーとの意見の違いが表面化し、そのタイミングで弁護士ドットコムに移りました。

当時は売上が伸び始めて上場が視野に入る非常に勢いのある会社でしたし、面接の際、社長に8年間赤字でも弁護士ドットコムをやり続けた熱い想いを聞いて、ビジョンに共感するとともに自分ならこの会社に貢献できるのではと思い入社に至りました。当時はCTOの肩書で入ったわけではなかったのですが、実質的にエンジニアのトップとして業務をしていました。

3.市橋様が入社されて、どのような開発体制の変遷があったのでしょうか?それに伴うご自身の役割の変化はございましたか?

入社した当時の開発体制ですが、まさにベンチャー企業の勢いのまま突っ走ってきた状態でした。当時はエンジニア5名体制で開発をしていたのですが、ブランチを使わず全部masterに直commitしていたり、Redmineがあっても使われずエンジニアに直接依頼が来て割込が多発したり、Jenkinsがあっても実行されていなかったり、といった状況で、今後の成長を考えると早く手を打つ必要がある状態でした。

まずは開発規約や依頼のフローなどの開発プロセスを整えて生産性の高い状況で開発できることに注力しました。その後には開発チームとして重視すべき行動指針を定め、評価体系なども見直しています。

3つの行動指針

弁護士ドットコムでは、エンジニアに特有の3つの行動指針を掲げています。開発について迷ったことがあれば、この行動指針に沿っているかどうかを見直しながら仕事をしているそうです。

1.いいものを最短距離で

システムを作っているのではなく、お客様に満足してもらえるサービスを作っている。早く、価値あるものを届けられるように行動しよう。

2.最適化し続ける

システムやプロセスは放っておいたら腐ってしまう。自動化したり、新技術を取り入れたりして、改善を続けていこう。

3.チームとして仕事をする

一人で仕事しているのではない。チームみんなで情報共有し、カバーしあって成果を発揮しよう。

現在は、1週間区切りのScrum開発を導入していて、各サービスのプロダクトオーナーがRedmineに登録されているタスクの優先順位を決定、タスクの見積もりを行って開発をしていく体制になっています。

市橋様の役割の変化

また、私自身の役割の変化ですが、入社した当日は開発体制を整え、エンジニアが働きやすい環境で仕事ができるように注力していましたが、一区切りついた後は採用やエンジニアの評価制度を作ることなどに注力をするようになってきました。

事業拡大のためにエンジニアの方に入っていただくことももちろんですが、現在はデザイナー含め20名体制で業務を行っているので、モチベーション高く仕事をしてもらうために、行動指針を踏まえどのようなエンジニアが評価されるのかを明文化し、それぞれのエンジニアが達成できているかどうかを、月に1回1対1の面談を行って確認しています。

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