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エルピクセル株式会社 CTO朽名様インタビュー

1. LPixelとしてどのようなサービスを提供しているのかを教えてください。

LPixelは名前からわかるように、画素(pixel)、つまり画像についての会社です。LにはLabolatory、Life Scienceなどの意味を込めています。あわせて、科学の研究のための画像処理を支援する会社です。お医者さんや生命科学者など、CT・MRI・顕微鏡などの撮影装置を使う方に、現場で画像解析できるサービスを提供しています。生命科学と画像処理の二つを重ね合わせた部分が一番のバリューだと考えています。

サービスをつくったきっかけとして、2つほどございます。一つ目は、科学者に向けた統一的な画像解析ソフトがなかったことです。文章を書くのであればWord、表計算はExcelなど統一化したソフトがありますが、画像処理についてのソフトは統一の規格がなくバラバラで、使いこなせている方も少ないという問題がありました。デジカメで撮って編集するくらいならできるのですが、実際科学研究の現場で扱われているのは、細胞の数を数えたり、ガンの組織を見分ける、といったかなり高度なことです。そこへのソリューションを提供したいというのがきっかけです。

二つ目は、医師の数に対して画像の数が飛躍的に増えているのですが、それらの画像データを上手く見る、活用できる環境にある先生が非常に少ない事です。日本は先進国の中でも高齢化社会のロールモデルであり、なおかつCTなどの画像データが非常に多く使われているのですが、それをうまく活用しているとは言えない状況です。画像処理の完全自動化は難しいと思いますが、スクリーニングやチェック漏れを防ぐなどの支援を通じて日本の医療への貢献をしたいと思っています。

2. どのような経緯でCTOになられたのでしょうか?

私自身は東京大学の助教でした。その時の学生が代表の島原だったのですね。修士の2年間面倒を見ていたのですが、彼は非常に独立心の強い人で、会社を作りたいと研究室でも話していました。その後島原はグリーさんへ就職をしたのですが、会社を辞めるときに相談を受けていました。その頃ちょうど現在弊社でやっているような画像処理についての共同研究を大学で行っていたのですが、各人が忙しく手が回らない状況が続いており、どうせなら研究室ではなく会社でやった方がいいと思っていたことを島原に話した所、一緒にやりませんかと誘われてスタートしました。ビジネスに関わる部分は得意な彼に任せて、私は技術面で、とお互いのできる部分を持ち寄れました。

3. これまでの開発体制の変遷を教えてください。

設立時は全3名で、2名がエンジニアでした。当時はメールで進めていて、そこからGoogle Docsでシートを作り、といった形で原始的に開発を進めていました。創業当初はコードの管理も個人で行っていましたね。ただ情報の共有もし辛いので、早めにツールをいれるようにしました。

– 現在の開発体制はどうなっているのでしょうか?

提供しているサービスによって若干異なります。今提供しているサービスは主に2種類で、1つは受託で開発してソフトウェアを納品しています。Macで動かしたい・特定のブラウザで動かしたいといった要望にも答えています。画像処理ソフトは速度が必要になるので、言語はC++・Javaあたりで運用していますね。UIはPythonやJavaScriptで作ることもあります。

もう1つは、自社製品の開発や、受託でも画像を大量に送ってもらって、解析した結果をレポートにして返すというサービスをやっています。これはエンジニアの好きな言語で開発しています。好きな言語で開発して良いというのが弊社の特徴かも知れませんね。

業務の仕方は企業の案件で分けていて、多くて3名程度のチームでやっています。そもそもエンジニアはまだ10名もおりません。チームの構成は私が割り振っていて、それぞれのエンジニアがどういったノウハウやスキルをもっていて、どういった興味を持っているかを念頭にプロジェクトを打診、もしくは手を上げてくれる人に依頼をかけています。

要件定義やタスクの細分化、プロジェクトの推進については、ある程度PMができる人間がチームに入って回すようになっています。私は全体統括と進捗確認をやっています。プロジェクトの進め方はものによって変わってきます。個人のプロジェクトは我流に任せて、複数名でのプロジェクトだと ChatWorkやBacklogといったツールを使い、週1回対面のミーティングを行っています。

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