弦本ビルオーナー: 弦本 卓也(つるもと たくや)
1987年埼玉県生まれ。大学卒業後、リクルートへ入社。学生時代から起業し現在は複業で2社の会社を経営。数々の事業を生み出す。主には日本全国の高専生の進路を支援する「高専ベンチャー」など。現在はリクルートでWebメディアの企画開発や、組織開発を行う傍ら、3年前に東京神保町に購入したビルのオーナー業も行う。また、投資家として若手実業家の支援なども手掛ける。モットーは「一人ひとりの可能性を活かす選択肢を」
コデアル株式会社CEO:愛宕 翔太(あたご しょうた)
Twitterアカウントはこちら。東京大学経済学部経済学科卒業。MOT(技術経営)を学ぶ。大学2年時、リクルート出身者が立ち上げた東大OBとの出会いの場をつくる東大公認学生団体のマネージャーを務める。大学3年からは旧東京大学産学連携のデータマイニング企業「リッテル」(現在は株式会社ライフルに譲渡)にジョイン。卒業後、買収先の株式会社ライフルリッテル研究所に入社。SONY創業者の盛田昭夫氏に憧れ、24歳でコデアル株式会社創業。
5年ぶりの再開
愛宕:久しぶりに弦本さんのFacebook投稿を見て、オフィススペースが空いたと聞きつけて、即会いに行った結果、弦本ビルの3階に移転させていただくことが決まり本当に感謝しています。ありがとうございます、オーナー(笑)ほぼノールックの即決でしたねw
愛宕:弦本さんと初めてお会いしたのって、まだ弊社がインターンサイトをやっていた時代の話にまで遡りますよねw確か5年くらい前。
弦本:そうですね。その頃はたしか、会社でサラリーマンをやりながら、自分でもいくつか複業として事業を立ち上げはじめていた頃でした。そのなかでも特に、高専ベンチャーという名前で、地方の優秀な高専生に都内のIT系の企業のインターンを設計していたときに、インターンのサービスをされているということで、愛宕さんにお会いさせていただきました。
高専ベンチャーは、リクルートの同期と一緒に、お互いに複業という形で活動していました。
当時は想いだけで立ち上げた事業でしたが、その後は株式会社にして、現在は企業や学校からもお仕事をいただきつつ、7年目を迎えています。今も複業として続けている形になりますね。
初めて愛宕さんとお会いした時のやり取りが残っていますね。こちらです。
12/22にメールをもらって、1/5にお会いしています。1/2にもやりとりして、1/4か1/6と候補日を出して調整しているあたり、お互いに複業やベンチャー企業として働いている感がありますねw
愛宕:誰かの紹介で面白い人がいるので!と言われて東京駅周辺のカフェで初めてあったのを覚えています。高専生のインターンをやってます!というプレゼンを受けた記憶が蘇ってきました。当時のコデアル株式会社は「エンジニアインターン」というインターンサイトを運営していたので、そこで何か一緒にできないか?という話があった気がしますw
というか弦本さんがサラリーマンでいらっしゃることを今の今まで完全に忘れていたのですが、サラリーマンではどんなお仕事をされているのでしょうか?
弦本:リクルートでは、SUUMOという不動産系のメディアを運営するIT系の部署で、組織開発の仕事をしています。部署内のヒト・モノ・カネを管理で、主には社内の人事的な仕事や、総務的な仕事をしています。
愛宕:ちなみに、弦本さんが複業をやることで得られているメリットや、逆にデメリットと感じていることはありますか?ぜひ教えていただきたいです!
弦本:複業をすることで得られるメリットとしては、規模が大きく信頼や安定感のある大企業と、自分の想いで立ち上げた小さなスタートアップの両方の良さを享受できることでしょうか。就職活動をしていた時に、新卒で大企業に入るか?起業するのか?というのを悩んだのですが、一度大企業に入っておくことで、企業の仕組みや組織の回り方を理解しながら、自分でも小さな企業を立ち上げて事業ができるのではないかと思い、両方を選ぶ選択をしました。
僕はIT系の採用ではあったのですが、リクルートでは入社してすぐに、営業の仕方や、企画の起案や決裁の仕方など、様々なことを学ぶことができました。自分が複業で経営している会社でも、そこでの知見を活用させていただきつつ、そしてさらに、大企業の社員であることの信頼や与信をお借りして、スムーズに人とつながったり、不動産を買ったりすることができました。
愛宕:逆に、複業をやることで大企業にメリットになることはあるんでしょうか?
弦本:大企業では、0から1を立ち上げる能力や、自分が経営者になったかのような視点というのは、なかなか身につかないと思うんですよね。そこで、小さな会社でもいいので、やはり自分で0から立ち上げてみるというのは、大企業での立ち上げの経験にもなるし、事業に対する当事者意識をもつことにも、つながると思っています。
複業でも収入が安定してきているので、自分の本当にやりたいことを突き詰めて考えることができてきたり、また誰かを見てなどではなく、本来あるべきことはなにかを考えて、まわりの方に提案することもできてきていると思います。
愛宕:デメリットになることはあるんでしょうか?
弦本:デメリットは、圧倒的に時間が足りないことでしょうか。複業で働く場合もそうだと思うんですが、平日の日中のやりとりが限られてしまうというのはあると思います。今は形ができて落ち着きましたが、特に5年半前にお会いした頃などは自分で頑張る以外のリソースがほとんどなかったので、夜も休日も、見ての通り正月も関係なく仕事をしていましたねw
愛宕:弦本ビルのコンセプトの話もお伺いしていいですか?職住近接のコンセプトでオーナー自らどういう事業者さん、入居者さんに入ってもらうか?考えて、話をされているのはすごく面白いですよね。
弦本:もともと不動産のオーナーとして活動をはじめたのは、本業のリクルートで、不動産の広告を扱う部署に配属されたことでした。そこでは不動産を実際に購入することで、不動産を買う人の気持を理解してみたい、実際に暮らしを体験してみたい、それを企画に活かしたいという思いがありました。
そして、このビルは27歳で購入したということもあり、また、飲食店とオフィス、居住スペースが一体となったビルであるということもあり、自分に年齢や価値観の近い人たちと、一緒に作っていきたいなという思いで運営してきました。
幸い、購入後すぐから本当に素敵な方々と出会い、当時の想像を遥かに超えた形になっていて、非常に嬉しいです。特に、2階のプロハ(TOKYO PRODUCERS HOUSE)は、20代を中心にした、社会人若手や学生さんで、新しいことを始めたいと思う人や、今まさに新しいことを実現しているという人が出入りする場所になっています。
実際、プロハへの関わりをきっかけとして、複業を始めたり、起業をしたり、転職をしたり、人生の大きな局面として、実際に行動に移されている人がたくさんいます。
同じような価値観のメンバーが集まり、同じぐらいのフェーズや、少し先のフェーズにいる人達との交流が促進されることで、自分にでもできそう!と思い、行動のきっかけになれているのかもしれません。
愛宕:2階のスペースはコワーキングスペースになっているので、コデアラー(コデアルのユーザーさんやコデアルに関わっている人たち)の皆様を集めたイベントも、これから積極的にやっていきたいです!今回オフィス移転を決めた後、DIYも好きにやってくださいと言っていただけたおかげでリードエンジニアの川原が本業であるシステム開発以上にDIYを楽しんでいましたw
オフィス移転の様子もブログにまとめています。
弦本:オフィスのDIYは珍しいですよね。コデアルさんのオフィスも本当に、見違えるように綺麗になって驚いています!弦本ビルでは、管理やクリーニングなどのコストを掛けて、敷金や礼金などの初期費用をいただく代わりに、入居者にDIYをオススメしています。
入居者と一緒にビルを作りたい、愛着の湧く「みんなのビルにしたい」という思いもあります。
愛宕:それは凄いですね!ちなみに二階のスペースも最初作られる時はDIYしたんですよね?
弦本:はい。そのときの様子はムービーでも公開されています。
これから足りないところなども、色々あるかと思いますが、ぜひ既存の入居者コミュニティともシナジーを生んでいって、一緒にこのビルを作っていければと思います!
愛宕:これから一緒に面白いことやれるといいですね!今日は5年ぶりに長い時間弦本さんとお話できて楽しかったです!これからもよろしくお願いします!