今回はポート株式会社CTOの浦田さん・技術企画室室長大月さんとコデアル株式会社CEO愛宕の対談インタビューです。
愛宕 御社で展開されているサービスについてお話しいただけますでしょうか?
浦田 3つの事業を展開しています。1つがHR領域の採用コンサルティング事業、2つ目がキャリアパークを中心としたメディア事業、3つ目がPORTメディカルというヘルスケア事業です。
このうちテクノロジーが深く関わっているのは以下の2つです。
社員のスキルが足りないのではなく、社員ができないと思い込んでいるだけ
愛宕 どのようなチームで開発されていて、その中で浦田さん、大月さんはどのような役割なのでしょうか?
浦田 事業に関していえば、キャリアパークのチーム・PORTメディカルのチーム・infraappというインフラとその他アプリなど全てを担うチームの3つが中心です。あと研究開発は別途2人で行っています。キャリアパークについては10人ほど、PORTメディカルは5人ほど、infraappはインフラエンジニアや、インターンの方中心で5名ほどで構成しています。
僕はちょっと前までは全部関わっていたのですが、最近は大月にカバーしてもらって、新しいアプリ開発に手も出しています。
大月 僕はエンジニアの中途・新卒採用や、内部の教育、組織構成、人員配置、ブランディングなどに関わっています。
愛宕 やはり大月さんが入られる前には採用に時間を取られていたのですよね? 組織構成でいうと、インターン・フリーランスの位置付けはどのように考えているのでしょうか?
浦田 インターン生は、スキルがないのではなく、経験が少ないのだと捉えています。経験を積んで欲しいので、infraappチームに属してもらっています。このチームのマネージャーは僕が兼任していて、キャリアパークとPORTメディカル以外の開発業務全てをやるので、一人で複数個のタスクをこなさなければいけません。インターン生には短い時間でタスクを消化できる解決方法を知ってもらいたいと思っています。
フリーランスの方は各pjtに入ってもらっていて、各開発のチーフとコミュニケーションをとってもらいます。昔は多くいたのですが、今少ないですね。基本的には社員と同じようにやってもらっています。
愛宕 フリーランスの人数が少なくなったのは、意図的に正社員比率をあげたかったのでしょうか?
浦田 そうですね。凄く意識したわけではないのですが、結果としてそうなりました。もともとフリーランスの方にやってもらおうと思った理由は、スキル的に即戦力の方が多く、また自社のエンジニア育成が難しかったからです。そうしたらフリーランスの方のスキルがさらに高くなり、彼らにチームリードを任せるかたちになってしまいました。それ自体に問題があったと言うより、社員のモチベーションとしてもチームマネジメントが難しくなってきました。それに気づかずに開発していたところ、大月が入ってきて、社員も一緒に育てていかなければいけないという結論になったんです。そこから自社採用に力を入れ、結果的に自社の社員での開発体制が確立しました。
愛宕 大月さんからはどのように状況が見えていて、組織を変えていったのでしょうか?
大月 私が入社したタイミングで、フリーランスの方が多く活躍されており、それ自体は問題ないと思うのですが、社員の方のモチベーションが心配な状況に見えました。ただフリーランスの方は業務の線引きが決まっていて、プロダクトに責任を持っていない場合もあるので、やはり自社のエンジニアでチームを構成したいと思いました。前職でも、外部の方の人数は非常に少なく自社エンジニアを多く持つという主義で、私もその主義が好きだったので、半年くらいかけてゆっくり組織を変えていきました。
当初は、「フリーランスの方がいないとシステムが止まる!」と言っていたのですけれども、実際は止まらないんですよ。笑 即戦力生の高いフリーランスの方と一緒に働いている事で、実は自社の社員もスキルが上がっている人もいたのですが、できる人に頼っている部分が多く、実際は自分でできる人が多かったです。
浦田 社員のスキルが低いと思っていただけで、低くはなかったんですよ。チームマネジメントが悪かったから低く見えていた部分が、改善されてレベルアップできましたね。
HR・メディア・医療が重なり合う独特な会社
愛宕 開発の中で、誰が意見を出して、誰が最終決定をするようになっているのでしょうか?
浦田 少し前まではキャリアパークの決定者は社長の春日でした。PORTメディカルに力を入れ始める中で、キャリアパークに時間を割く余裕がなくなってきて、今はマーケティング部長にキャリアパークを任せて、社長はPORTメディカルに集中しています。
特に人材業界はベストプラクティスがある程度見えているのですが、医療に関しては日本初で僕たちがやっているので、わからないので試行錯誤ですね。手戻りが多いのはしょうがないです。
愛宕 どこまでサービス範囲を広げるか、どういう風に決められているのでしょうか?
大月 HR・メディア・医療領域は基本で、ここからはあまり外れないようにしています。この3つを全てやっている会社はあまりなく、それぞれ融合できるのがうちの強みだと思っています。HR領域で営業がいて、メディア・医療領域でエンジニアがいるというのは強みですね。最近地方創生などもやっていますけれども、それもHRやヘルスケアに関わるところが多いです。
職種ごとの働き方の多様性を認め、個人のパフォーマンスを向上できる環境を整えていくこと
愛宕 最後になりますけれども、ここまで多領域での事業を行っていて働き方も多様になってくると思います。今後どのような働き方が当たり前になってくとお考えですか?
浦田 サービスによってはエンジニアが働くのは基本的にはどこでもできると思っているので、時間と土地に縛られない仕事の仕方を体制としても整えて行きたいと思っています。
大月 弊社にはエンジニア職だけでなく営業職や医療系職種(ドクターなど)、ライター職がいます。みな働き方が違って、例えば営業職は外出が多いですし、エンジニア職は営業が持ち帰った案件を消化しなければいけないので夜のワークが多くなったりします。医療系やライターさん比較的朝早くからの勤務が多いです。小さい会社の割には働き方の種類が多いので、ワンフロア内で出社・帰社時間がまちまちです。会社の風土として、それぞれ職種の働き方を理解させて尊重しなければいけないということは、人事側でも議論になっていますね。
今後の話でいうと、日本だけで言えば労働人口が減るので、より個人のパフォーマンスを出せる職種にあわせた環境を作らなければいけないと思っています。また人事だけでなく、それぞれが多職種への理解も必要です。何事もバランスが難しいですが、状況にあわせた労働環境を提供していきたいと思っております。